AI超まとめ｜『CHUBBY GROVE』＆『MAXIMUM HUAVO』（INABA/SALAS）

『CHUBBY GROOVE』の詳細

発売日・基本情報: INABA/SALASの1stアルバム『CHUBBY GROOVE』（チャビー・グルーヴ）は2017年1月18日にVERMILLION RECORDSからリリースされました (Chubby Groove – Wikipedia)。全12曲収録で、稲葉浩志（B’z）とアメリカ出身のギタリスト、スティーヴィー・サラスによる初のフル共同作品です (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。ジャンル的にはダンスロックやファンクロックを基調としつつ、ポップやハードロックなど多彩な要素を含んだ内容になっています (Chubby Groove – Wikipedia)。オリコン週間2位、Billboard Japanでも総合2位を記録し、後にゴールドディスク認定も受けたヒット作です (Chubby Groove – Wikipedia)。

制作背景（コラボの経緯）: 稲葉浩志とスティーヴィー・サラスは本作リリース時点で約25年にわたり親交を深めてきました。サラスが1990年代に来日公演を行った際にB’z松本孝弘と共演した縁で知り合い、「いつか一緒に何か面白いことをやろう」と語り合っていた仲でした (稲葉浩志＆スティーヴィー・サラス、コラボ作を語る | J-WAVE NEWS)。お互いのソロ作品にゲスト参加する形では交流していましたが、本格的にタッグを組む機会がなかなかありませんでした (〖インタビュー〗INABA / SALAS、「唯一のルールは“クールじゃなきゃいけない”」 | BARKS)。2016年、稲葉側のスケジュールに余裕ができたタイミングでサラスに声をかけ、長年の約束を遂に実現させたのがこの『CHUBBY GROOVE』です (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。稲葉は「本当に気張ってなくて、自然な流れで始まった」プロジェクトだと語っています (〖インタビュー〗INABA / SALAS、「唯一のルールは“クールじゃなきゃいけない”」 | BARKS)。

音楽的特徴・制作プロセス: アルバム制作は「ルール無し、とにかくクール（格好良い）であること」だけを指針に進められました (〖インタビュー〗INABA / SALAS、「唯一のルールは“クールじゃなきゃいけない”」 | BARKS)。曲作りはまずサラスがアコースティックギター1本で稲葉にリフやメロディのアイデアを伝えるところから始まり、後半でそれをエレクトリックギターに差し替えて仕上げるという手法がとられています (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。全曲の作曲をサラス、作詞を稲葉が担当し、クレジット上は「All Songs Written by Stevie Salas & Koshi Inaba」と表記されました (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。稲葉は当初「サラスの得意な少しハードでファンキーなロックになるだろう」と想像していたものの、最初に完成した「SAYONARA RIVER」を聴いて「こういう感じなのか」と良い意味で予想を裏切られたと述懐しています (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。実際サラスは「自分らしくも稲葉浩志っぽくもないサウンドを楽しみたい」という考えで制作に臨んでおり、お互い探り合いながら自由に曲を作り上げていったようです (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。

編曲面ではグルーヴ（ノリ）を最重視しており、細かな技巧にはこだわり過ぎず “太い”グルーヴ感を出すことにフォーカスしています (INABA / SALAS「CHUBBY GROOVE」 |)。タイトル「CHUBBY GROOVE（ずんぐりしたグルーヴ）」が示す通り、サラスが得意としてきたファンク×ハードロックのような太いノリを前面に押し出した仕上がりです (INABA / SALAS「CHUBBY GROOVE」 |)。全体のサウンドをリードするのはリズム志向の強いサラスで、稲葉の力強いボーカルと相まってキャッチーでクールなグルーヴが生み出されています (〖インタビュー〗INABA / SALAS、「唯一のルールは“クールじゃなきゃいけない”」 | BARKS)。稲葉のハイトーンボイスや独特の日本語詞も楽曲の一部として違和感なく機能しており、英語と日本語が混ざったフレーズも自然に耳に残ります (〖B’z・INABA/SALAS〗1st Album 「CHUBBY GROOVE」感想：魂に火を点けろ！：SSブログ) (INABA / SALAS「CHUBBY GROOVE」 |)。例えば「SAYONARA RIVER」のサビで登場する「雄風（ゆうふう）」という日本語は稲葉らしい詞世界ですが、海外ミュージシャンとのコラボ曲に敢えてこうした言葉を入れるセンスにファンも驚嘆しました (〖B’z・INABA/SALAS〗1st Album 「CHUBBY GROOVE」感想：魂に火を点けろ！：SSブログ)。

収録曲とタイアップ: リードトラックの「SAYONARA RIVER」はアルバム制作で最初に完成した曲であり、稲葉自身「象徴的な一曲」と語っています (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。2曲目「OVERDRIVE」は新型ポルシェ・パナメーラのコマーシャルソングに起用され、疾走感あるファンキー・ロックナンバーとして人気を博しました (Chubby Groove – Wikipedia)。ファンの間でも特に人気が高く、イントロから掴まれるパワフルな曲だと評されています (〖B’z・INABA/SALAS〗1st Album 「CHUBBY GROOVE」感想：魂に火を点けろ！：SSブログ)。4曲目「AISHI-AISARE」（愛し 愛され）はNTTドコモのCMソングにタイアップされたダンサブルなナンバーで、サビがCMで流れた際「稲葉さんがこんなダンスビートの曲を！？」と耳を惹かれたとの声もありました (〖B’z・INABA/SALAS〗1st Album 「CHUBBY GROOVE」感想：魂に火を点けろ！：SSブログ)。実際、この曲は発売直後の『ミュージックステーション』にINABA/SALASとして出演して披露され、本アルバムの代表曲の一つとなっています (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。5曲目「シラセ」はゆったりしたバラードで、本作中最後に完成した曲です。制作途中でドラマーのスティーブ・フェロンが新たに加わり、それまでとはテンポが変わったため稲葉がロサンゼルスで改めてボーカル録りを行ったという経緯があります (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。稲葉いわく「一番難易度が高い曲」で、シンプルに歌い上げるだけではなく微妙な間合いが要求される難曲だったとされています (CHUBBY GROOVE – Wikipedia) (〖B’z・INABA/SALAS〗1st Album 「CHUBBY GROOVE」感想：魂に火を点けろ！：SSブログ)。このように、アップテンポなファンクロックから哀愁ただようバラードまで、バラエティ豊かな曲調がアルバムを通して展開されます。

またユニークなのは3曲目「WABISABI」で、曲中で聞こえるスキャット（意味のない音のボーカル）部分はサラス本人が歌っています (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。稲葉のボーカルとの掛け合いのようにも聞こえるこのスキャットは、アルバムに遊び心を加えるスパイスになっています。7曲目「NISHI-HIGASHI」（西東）は冒頭に稲葉とサラスの会話が入る明るいファンク・ナンバーで、“西と東”（アメリカと日本）のコラボを象徴するかのような一曲です。実はアルバムタイトル候補にも挙がっていたと言われ、まさにプロジェクトのコンセプトを体現した曲ともいえるでしょう (〖B’z・INABA/SALAS〗1st Album 「CHUBBY GROOVE」感想：魂に火を点けろ！：SSブログ)。ラストの12曲目「TROPHY」は爽快なグルーヴが炸裂するアップテンポ曲で、WOWOW 2017年シーズンテニス中継のイメージソングにも起用されました (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。民族音楽風のコーラスで始まるこの曲は明るく楽しい雰囲気でアルバムを締めくくり、仮タイトルは「金字塔」だったことがMVで明かされています (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。なお、収録曲は全て稲葉が日本語詞を書いていますが、サラスは日本語が分からないながらも「音の響きがクールかどうか」を重視して細かい部分まで意見を出し、稲葉も「意味が良くても響きが良くなければ伝わらない」として詞を練り直す場面もあったそうです (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。このように日米の感性をぶつけ合わせることで、生み出された言葉とメロディの融合も本作の聴きどころです。

レコーディングと参加ミュージシャン: 『CHUBBY GROOVE』のレコーディングは東京、ハワイ、ワシントンD.C.、ロサンゼルス、オースティン、ナッシュビル、トロント、サンノゼ、ソウル…と世界各地で行われました (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。稲葉が「新鮮な環境で刺激が欲しい」と希望したことに加え、サラスが「この曲にはあのベーシストを、こちらの曲にはこのドラマーを」と各曲ごとに最適なミュージシャンを提案していった結果、それぞれの演奏者に会いに行く形でレコーディングが進んだのです (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。そのため非常に豪華な顔ぶれが参加しています。例えばドラムにはマット・ソーラム（元Guns N’ Roses）やテイラー・ホーキンス（Foo Fighters）、スティーブ・フェロン（Tom Petty & Heartbreakers等で活躍）といった錚々たるドラマーが曲毎に起用され、ベースにもスチュアート・ゼンダー（元Jamiroquai）、アルマンド・サバル＝レッコ（ポール・サイモン等のサポート）らが参加しました (CHUBBY GROOVE – Wikipedia) (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。キーボードやパーカッションにも複数の一流ミュージシャンが名を連ねており、まさにグローバルな音楽人脈を結集したアルバムとなっています (INABA / SALAS「CHUBBY GROOVE」 |)。世界を股にかけるサラスだからこそ実現できた録音手法と言えるでしょう。サラス自身も「色々なパートを全部ブレンドするのは大変だった」と振り返っています (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。その甲斐あって、多彩な音色が融合したリッチなサウンドが特徴です。

ライブパフォーマンス: アルバム発売直後の2017年1月25日から、INABA/SALAS名義でのライブツアー**「CHUBBY GROOVE TOUR 2017」が開催されました (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。Zepp Tokyoを皮切りに全国のZepp会場を中心に行われたこのツアーは、稲葉浩志のボーカルとスティーヴィー・サラスのギターを核に、サポートメンバーにも海外勢を加えた編成で熱狂的なライブとなりました。セットリストはアルバム全曲に加え、B’zや稲葉ソロの楽曲、さらにはデヴィッド・ボウイの「Moonage Daydream」やザ・クラッシュの「Police On My Back」といったカバーまで盛り込まれ、非常にエネルギッシュでサービス精神旺盛な内容でした ( 稲葉浩志（B’z）とStevie Salas（スティーヴィー・サラス）の「INABA／SALAS」、ニュー・アルバム『Maximum Huavo』4月15日リリース決定 – TOWER RECORDS ONLINE ) ( 稲葉浩志（B’z）とStevie Salas（スティーヴィー・サラス）の「INABA／SALAS」、ニュー・アルバム『Maximum Huavo』4月15日リリース決定 – TOWER RECORDS ONLINE )。ファンからは「稲葉さんが洋楽のカバーを歌う姿が新鮮」「ファンキーなセッションが最高に楽しい」といった声が上がり、稲葉・サラス両名の音楽的ルーツや遊び心を感じられるライブだと好評を博しました。稲葉のこれまでのライブとは一味違う“踊れるロック”**の空間が生み出され、オーディエンスもノリノリで体を揺らして楽しんでいたようです。後に2020年発売の2ndアルバム初回盤特典映像として、この2017年Zepp Tokyo公演の模様（全18曲収録）が公式にリリースされており、本ツアーの熱狂を追体験できます ( 稲葉浩志（B’z）とStevie Salas（スティーヴィー・サラス）の「INABA／SALAS」、ニュー・アルバム『Maximum Huavo』4月15日リリース決定 – TOWER RECORDS ONLINE )。

公式コメント・エピソード: プロモーション時の公式インタビューでも興味深い発言がいくつかありました。稲葉はサラスの魅力について「自分にはないハードでファンキーなグルーヴに憧れていて、彼のバックで歌ったらどうなるか興味があった」 (稲葉浩志＆スティーヴィー・サラス、コラボ作を語る | J-WAVE NEWS)と語っています。実際に制作を始めてみると「いざ始めてみると想像つかない感じ（笑）」で、新鮮な体験だったとも述べました (〖インタビュー〗INABA / SALAS、「唯一のルールは“クールじゃなきゃいけない”」 | BARKS)。サラスは「稲葉浩志は最高のシンガーだからぜひ一緒に仕事がしたかった」とリスペクトを示しつつ、「唯一のルールは“クールじゃなきゃいけない”ことだった」とサウンド作りのポリシーを明かしています (〖インタビュー〗INABA / SALAS、「唯一のルールは“クールじゃなきゃいけない”」 | BARKS)。また稲葉は「彼の頭の中にあるロックのアーカイブはものすごく大きい。それは僕が持っていない部分なので、本当に大きかった」とサラスとの共作から大きな刺激を受けたことを強調しました (稲葉浩志＆スティーヴィー・サラス、コラボ作を語る | J-WAVE NEWS)。歌詞面では先述のようにサラスからの率直な意見が飛び交ったそうで、稲葉は「日本語として大事な意味があっても、響きが良くなかったら聞き手には届かない」と改めて実感し、サラスの指摘に感謝したといいます (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。こうした裏話からは、国籍や言語の壁を越えて**「良い音楽」を追求する二人の真摯さ**が伝わってきます。

ファンの考察・反応: 『CHUBBY GROOVE』リリース当時、B’zファンや音楽ファンからは「B’zや稲葉ソロとも違う、新鮮な稲葉節が楽しめる」と大きな反響がありました。実際、ファンレビューでも「ポップでファンキーな曲調に稲葉さんのハイトーンボイスが乗って新鮮 (INABA/SALAS 「CHUBBY GROOVE」 B’zともソロとも違う稲葉 …)」「ハードロック基調なのにダンスミュージックのノリもあって心地良く、何度でもリピートしたくなる」と評価されています (〖B’z・INABA/SALAS〗1st Album 「CHUBBY GROOVE」感想：魂に火を点けろ！：SSブログ)。稲葉の新たな一面を引き出した傑作との声も多く、「こういうコラボは大歓迎！」といったコメントも見られました (〖B’z・INABA/SALAS〗1st Album 「CHUBBY GROOVE」感想：魂に火を点けろ！：SSブログ)。特に「OVERDRIVE」はライブでも盛り上がるキラーチューンとして支持を集め、ファンの間で人気が高い曲です (〖B’z・INABA/SALAS〗1st Album 「CHUBBY GROOVE」感想：魂に火を点けろ！：SSブログ)。一方で、アルバム全体について「グルーヴ重視でさらっと聴ける反面、良くも悪くも耳に流れていく感じ」と分析する意見もあり (INABA / SALAS「CHUBBY GROOVE」 |) (INABA / SALAS「CHUBBY GROOVE」 |)、純粋なB’z的ハードロックを期待すると物足りないと感じる向きも一部にはあったようです。ただ総じて、「稲葉浩志がここまで踊れるビートを歌いこなすとは驚き」「洋楽と邦楽の良いとこ取りで癖になるサウンド」といったポジティブな反応が大勢を占めました。稲葉が出演したMVにも注目が集まり、「AISHI-AISARE」のMVでは日本の女性ロックバンドのメンバーが出演して話題に (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)、「OVERDRIVE」のスタイリッシュな映像が格好良いと評判になりました。また当時TwitterなどSNS上でも「#CHUBBYGROOVE」がトレンド入りし、「イナサラ最高！」「稲葉さん楽しそうでこっちも笑顔になる」といった投稿が多数見られ、ファンの興奮ぶりがうかがえます。

『MAXIMUM HUAVO』の詳細

発売日・基本情報: 2ndアルバム『MAXIMUM HUAVO』（マキシマム “フアボ”）は、前作から約3年後の2020年4月15日にリリースされました ( 稲葉浩志（B’z）とStevie Salas（スティーヴィー・サラス）の「INABA／SALAS」、ニュー・アルバム『Maximum Huavo』4月15日リリース決定 – TOWER RECORDS ONLINE )。全12曲を収録し、前作同様Vermillion Recordsから発売されています。発売時期はちょうど新型コロナウイルス感染拡大による混乱の中でしたが、本作は見事オリコン週間アルバムランキングで初登場1位を獲得しました (メガヒットを生み続ける稲葉浩志ならではの“遊び心” – Real Sound｜リアルサウンド)。推定初週売上約6万枚を記録し、音楽業界全体でCD売上が落ち込む状況下にあって健闘したことが音楽メディアでも「特に心強いニュース」として伝えられました (メガヒットを生み続ける稲葉浩志ならではの“遊び心” – Real Sound｜リアルサウンド)。ジャンルとしては前作以上にロック色が強くかつグルーヴィーで、ハードロック愛とファンク魂がさらにパワーアップした作品となっています (メガヒットを生み続ける稲葉浩志ならではの“遊び心” – Real Sound｜リアルサウンド)。稲葉とサラスのユニットとしてのケミストリーが深化し、タイトル『MAXIMUM HUAVO』が示すように「最大限に振り切ったユニークさ」を打ち出したアルバムです ( 稲葉浩志（B’z）とStevie Salas（スティーヴィー・サラス）の「INABA／SALAS」、ニュー・アルバム『Maximum Huavo』4月15日リリース決定 – TOWER RECORDS ONLINE )。

制作背景（コロナ禍での影響含む）: 稲葉浩志とスティーヴィー・サラスは『CHUBBY GROOVE』制作後も交流を絶やさず、サラスは稲葉に対し折に触れて新曲のアイデアを送り続けていました (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)。前作リリース直後から既に「実はもう新曲のアイデアがあるんだ」とサラスが意欲を見せていたほどで (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)、そうした熱意が2ndアルバム実現の原動力になっています。再始動の直接の発端はサラスから稲葉への“メール攻撃”だったようで、「遠くにいる友達から『いつヒマ？』と問い続けられて重い腰を上げた」ようなものだと報じられています (メガヒットを生み続ける稲葉浩志ならではの“遊び心” – Real Sound｜リアルサウンド)。2019年4月頃から本格的に曲作りを開始し、数多くのデモやアイデアを試行錯誤する中で制作が進みました (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)。稲葉は「前作がある以上、それは超えなきゃいけない」という強い思いで臨んだと語り (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)、サラスも「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」という意識で創作に向かったようです（BARKSインタビュー記事タイトルより） (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)。そうして**「前作以上の作品を作る」**という共通の目標のもと、約3年ぶりに2人のプロジェクトが動き出しました。

制作途中の2019年には、最初にできた曲を聴き直して「最悪だ」と感じボツにするなど試行錯誤もあったようで (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)、単に溜めていたネタを形にするのではなく、クオリティを追求して曲を練り上げていったことがうかがえます。録音は主に2019年中に行われたと見られ、世界的にコロナ禍に突入した2020年春には全作業が完了して発売に至りました。ちょうど発売直前のタイミングで日本でも緊急事態宣言が出される状況となったため、大規模なリリースイベントや来日プロモーションは困難でしたが、その代替として**WOWOWにて特別番組「INABA/SALAS 2020 スペシャル」が2020年4月18日に放送されました (B’z稲葉浩志×スティーヴィー・サラスのINABA – ナタリー)。この番組ではアルバム制作秘話やミュージックビデオ、過去ライブ映像などが紹介され、ファンへの一種のリモートサービスとなりました。また、本来予定されていた「INABA/SALAS LIVE TOUR 2020」**は4月末から全国Zepp会場で開催予定でしたが、感染拡大の影響で全公演延期・最終的に中止となっています（公式サイト発表 (INABA／SALAS “the First of the Last Big Tours 2020” 全公演 … – B’z)）。そのためリリース当時は新曲をライブで披露することは叶いませんでしたが、代わりにYouTube上でスタジオ・セッション映像を公開するなど工夫がなされました。例えば「MUJO PARADE ～無情のパレード～」のセッション動画では、歌詞の一部をコロナ禍の状況に合わせて変更する演出があり (Maximum Huavo | STAY ～SMAP Forever～)、ファンの間で話題となりました。

音楽的特徴・楽曲ごとの見どころ: 『MAXIMUM HUAVO』は前作以上に躍動感あふれるグルーヴロックアルバムに仕上がっています。公式発表でも「型破りなユニークさと音楽の国境やジャンルを超えたグルーヴがさらにパワーアップ」し、ポップでダンサブルな楽曲からメロウな楽曲まで大胆さと緻密さが絶妙に交差する12曲と紹介されています ( 稲葉浩志（B’z）とStevie Salas（スティーヴィー・サラス）の「INABA／SALAS」、ニュー・アルバム『Maximum Huavo』4月15日リリース決定 – TOWER RECORDS ONLINE )。実際、収録曲の幅広さは健在で、ファンク、ハードロック、ラテン、エレクトロなど様々なテイストが盛り込まれています。全曲のクレジットは前作から少し変更され、「All Songs Written by INABA/SALAS」と表記されました (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)。表記上は僅かな違いですが、BARKSのレビューでは**「手探りでバンドサウンドを作り上げた前作から、今作では2人の魂が一つの意思を持ったバンドとして鼓動を打ち始めたことを示唆するもの」**と分析されています (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)。つまり、よりユニットとして一体化し、自信を持ってサウンドを作り上げたことがうかがえます。

各曲に目を向けると、リードトラックの一つ「Demolition Girl」は発売に先駆けてMVが公開されました。タイトル通り“破壊”をテーマにした勢いあるロックチューンで、MVでは普段は寡黙で硬派なイメージの稲葉がクラブで女性たちに囲まれノリノリで歌うシーンが登場し、ファンに驚きを与えました (Maximum Huavo | STAY ～SMAP Forever～)。“真面目な稲葉さんがクラブで遊んでる！”というギャップがSNS上でも話題となり、「稲葉さん楽しそうでこちらも嬉しい」と好意的に受け止められています。アルバム冒頭の「Mujo Parade～無情のパレード～」はラテン風味のリズミカルな曲で、メキシコ風のホーンやパーカッションの要素を感じさせるパーティーチューンです。サラスが「南米のパーティーでDJがファンクをかけていた」体験から着想を得て、「イナサラでもファンキーなロックをやろう」と思ったそうで、ラテンとファンクを融合したような独特のノリが特徴です (INABASALAS「Maximum Huavo」の感想+B’z “HOME” セッション熱い！ | HighSpeed小走りのブログ)。ドラムはブライアン・ティッシー（元ホワイトスネイク他）が叩いていますが、一聴すると打ち込み風に聞こえるくらいタイトで不思議なグルーヴを出しています (INABASALAS「Maximum Huavo」の感想+B’z “HOME” セッション熱い！ | HighSpeed小走りのブログ)。間奏では稲葉が「踊りましょう踊りましょう」と煽るボーカルパートもあり、思わず身体が動くキラーチューンに仕上がっています (INABASALAS「Maximum Huavo」の感想+B’z “HOME” セッション熱い！ | HighSpeed小走りのブログ)。

「U」は80年代を思わせるレトロなファンクナンバーで、日本人にはなかなか出せないクセになるグルーヴが詰まっています (INABASALAS「Maximum Huavo」の感想+B’z “HOME” セッション熱い！ | HighSpeed小走りのブログ)。ブライアン・ティッシーのドラムにサラスが細かく指定を加えて録音したとのことで、骨太ながらダンサブルなリズムが魅力です (INABASALAS「Maximum Huavo」の感想+B’z “HOME” セッション熱い！ | HighSpeed小走りのブログ)。稲葉の歌唱も艶っぽく、「あなたは～」と低音でささやくようなパートからサビで一気に弾ける展開がかっこいいと評判です (INABASALAS「Maximum Huavo」の感想+B’z “HOME” セッション熱い！ | HighSpeed小走りのブログ)。「KYONETSU ～狂熱の子～」はタイトルからも想像できるように激しい熱量を持ったロックチューンで、鋭いギターリフとシャウト気味のボーカルが疾走感を生みます。対照的に「Boku No Yume Wa」（僕の夢は）はメロウな曲調で、美しいメロディラインに稲葉が情感たっぷり歌い上げるバラード寄りのナンバーです。こうした緩急のバランスもあり、アルバム全体として飽きさせない流れになっています。中盤の「YOU GOT ME SO WRONG」は軽快なファンクポップで、思わずステップを踏みたくなるようなリズムが心地よい曲です。稲葉の英語混じりのボーカルもクールで、「こんな洒落たブラックミュージック風の曲を歌いこなせるのか」と新鮮な驚きをもって受け止められました。

「CELICA」や「CELEBRATION～歓喜の使者～」といった終盤の曲では、壮大さと高揚感が感じられるサウンドが印象的です。特にラストの「CELEBRATION～歓喜の使者～」はアルバムの締めに相応しい祝祭感あるロックナンバーで、稲葉の伸びやかな声とサラスのギターソロが高らかに響き渡ります。歌詞には<小さな幸せを迎えに行こう>といった前向きなメッセージが込められており (INABA / SALAS「CHUBBY GROOVE」 |)、閉塞感のあった2020年当時に希望を与えてくれる曲となりました。

制作面の進化: 今作では、前述の通りユニットとしての結束が強まったことが大きなポイントです。曲作りにおいて稲葉とサラスの役割分担は基本的に前作同様ですが、サウンド面ではサラスのこだわりが細部まで反映されていると言います (INABASALAS「Maximum Huavo」の感想+B’z “HOME” セッション熱い！ | HighSpeed小走りのブログ)。サラスは各曲で「ここはこうしたい」と多数のアイデアや注文を出し、それに対し稲葉も的確に応えていったとのこと (INABASALAS「Maximum Huavo」の感想+B’z “HOME” セッション熱い！ | HighSpeed小走りのブログ)。インタビューによると、稲葉は「前作がある以上それを超えなきゃ」というプレッシャーがあった一方で、サラスは稲葉のそうした真面目さを和らげるように常に笑いを交えながら制作を進めたそうです (INABASALAS「Maximum Huavo」の感想+B’z “HOME” セッション熱い！ | HighSpeed小走りのブログ)。クリス・ペプラーのラジオ番組（J-WAVE「TOKIO HOT100」）に出演した際には、アルバムタイトル『MAXIMUM HUAVO』の意味について問われて大爆笑する一幕もあったようで (INABASALAS「Maximum Huavo」の感想+B’z “HOME” セッション熱い！ | HighSpeed小走りのブログ)、終始ユーモアを絶やさず作業していたことが伺えます。このタイトル「HUAVO」は一見意味不明ですが、スペイン語の「huevo（卵）」に近い造語で、ジャケットにニワトリのイラストが描かれていることから「最大の卵？」とファンに解釈されました (Maximum Huavo | STAY ～SMAP Forever～)。深い意味はなく言葉遊び的なタイトルですが、「とにかくブッ飛んだものを出そう」という彼らの遊び心を表していると言えるでしょう (メガヒットを生み続ける稲葉浩志ならではの“遊び心” – Real Sound｜リアルサウンド)。稲葉自身も「意味は各自でお調べください」と冗談めかしており (メガヒットを生み続ける稲葉浩志ならではの“遊び心” – Real Sound｜リアルサウンド)、ユニットならではの自由奔放さが感じられます。

レコーディング参加メンバーも前作に引き続き国際色豊かです。前述のドラマー、ブライアン・ティッシーやパーカッショニストのデイビッド・リーチ（David Leach）、キーボードのルー・ポマンティ＆サム・ポマンティ親子など、サラスと親交の深いミュージシャンが多数クレジットされています (INABASALAS「Maximum Huavo」の感想+B’z “HOME” セッション熱い！ | HighSpeed小走りのブログ)。ギターやベースの追加録音も行われており、曲によっては前作以上に重厚なバンドサウンドを構築しています。「ギターがたくさん前に出ていて良い感じ！」というファンの声があるように (INABASALAS「Maximum Huavo」の感想+B’z “HOME” セッション熱い！ | HighSpeed小走りのブログ)、サラスのギターワークもより一層冴えわたっています。実際、あるレビューでは**「前作ではJ-POP的にまとまり過ぎていた部分があったが、今作では遥かに‘踊れる’ロックが奏でられている」**と評されており、ファンクの土臭さやリズムの強靭さがしっかり表現されたと分析されています (INABA / SALAS「CHUBBY GROOVE」 |)。このように、音作りの面でも2人の個性が前面に出つつ高い完成度で融合したのが『MAXIMUM HUAVO』の特徴です。

公式の評価・コメント: 音楽誌『音楽と人』2020年4月号の巻頭インタビューでも二人は本作について語っています（※内容は要約）。サラスは「とにかく稲葉にまた歌って欲しくて大量のアイデアを送り続けた」と語り、稲葉は「サラスからアイデアが来る度に“やるとは言ってないのに（笑）”と思いつつ、結果的に本腰を入れることになった」と笑っています (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)。稲葉は「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける。前作があるからこそ、超えなきゃいけないと思った」と創作意欲を語り、サラスもうなずいていました (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)。また、リアルサウンドのレビューでは**「ギラギラと躍動するファンク魂と尽きることのないハードロック愛、そして洋楽とも邦楽とも言い切れないブレンドの妙。USのトレンドなど小気味よくスルーしていて、タイトルも相当笑える」と評され (メガヒットを生み続ける稲葉浩志ならではの“遊び心” – Real Sound｜リアルサウンド)、二人の音楽愛に満ちた遊び心たっぷりの作品である点が高く評価されています。大物アーティストである稲葉浩志だからこそ、これだけ自由奔放なプロジェクトでも商業的成功を収められるとも分析されており (メガヒットを生み続ける稲葉浩志ならではの“遊び心” – Real Sound｜リアルサウンド)、実際チャート1位という結果でそれを証明しました。BARKSのインタビューでは、稲葉が「前作が評判良かったからといって安心せず、新鮮な気持ちでゼロから作った」とコメントし、サラスは「唯一無二のグルーヴを追求できた」と手応えを語っています（※インタビュー本文より）。全体として、「INABA/SALASというバンドが本物になった」**との評価もあり、互いのミュージシャンシップがより強固に絡み合った作品だと言えるでしょう (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)。

ファンの評価・反応: 『MAXIMUM HUAVO』に対するファンや評論家の評価は非常に好意的で、「前作より好き！」という声が多く聞かれます (INABASALAS「Maximum Huavo」の感想+B’z “HOME” セッション熱い！ | HighSpeed小走りのブログ)。実際、あるB’zファンのブログでは「前作のチャビーグルーヴよりも聴きやすく、クオリティも上がっている」と綴られていました (Maximum Huavo | STAY ～SMAP Forever～)。特にサウンド面で「ギターが増し増しで良い」「サラスの溜め込んだアイデアが爆発している」といったコメントが見られ、ロック度が上がった点を歓迎する意見が目立ちます (INABASALAS「Maximum Huavo」の感想+B’z “HOME” セッション熱い！ | HighSpeed小走りのブログ)。一方でポップさも健在なため「ハードすぎず程よいノリでずっと体が揺れる」と、より“踊れるロック”になったとの評価もあります (INABA / SALAS「CHUBBY GROOVE」 |)。タイトルの「HUAVO」については発売当初ファンの間で謎解きが行われ、「スペイン語の卵（huevo）から来ているのでは？」「ニワトリ＝卵＝生命の象徴で最大のエネルギー？」など様々な憶測が飛び交いました (Maximum Huavo | STAY ～SMAP Forever～)。最終的には「深い意味はなさそう」という結論に落ち着きましたが、「稲葉さんらしいユーモア」「こういう遊び心がイナサラの醍醐味」と肯定的に受け止められています (Maximum Huavo | STAY ～SMAP Forever～) (メガヒットを生み続ける稲葉浩志ならではの“遊び心” – Real Sound｜リアルサウンド)。SNS上でも発売日には「#MaximumHuavo」がトレンド入りし、「イナサラ最高！」「期待以上にカッコいいアルバム」「ずっとヘビロテしてる」といった興奮気味のツイートが多数投稿されました。また、リモートでのプロモーション展開も奏功し、YouTube公式チャンネルにアップされた「Demolition Girl」や「Mujo Parade」のミュージックビデオ／セッション映像には「稲葉さんが楽しそうで何より」「サウンドに元気をもらえる」といったコメントが寄せられています。コロナ禍でライブに行けない鬱屈を晴らすかのように、自宅で本作を聴き込んだり画面越しのパフォーマンスを楽しんだりするファンが多かったようです。

一部の音楽マニアからは、録音に参加したミュージシャンの豪華さも話題になりました。Foo Fightersのドラマーであるテイラー・ホーキンスが前作に続き何曲かでドラムを叩いていることや（※クレジット情報による）、ファンク界の重鎮ブーツィー・コリンズとの共演歴もある名ベーシストが参加していることなどが指摘され、「海外の大物が脇を固めていて驚いた」との声もあります。こうした点も含め、「まさに国境を超えたバンド」「世界水準のグルーヴ」としてINABA/SALASの評価は高まりました。

『CHUBBY GROOVE』と『MAXIMUM HUAVO』の比較

音楽性の変遷と共通点: 1stと2ndアルバムを比べると、基本にあるコンセプトは一貫しています。どちらも稲葉浩志とスティーヴィー・サラスという異色のコンビによるロックとファンクの融合であり、邦楽・洋楽の垣根を超えたグルーヴ重視のサウンドが軸にあります (メガヒットを生み続ける稲葉浩志ならではの“遊び心” – Real Sound｜リアルサウンド)。稲葉の力強いボーカルとサラスのギター／プロデュースセンスが掛け合わさり、「踊れるロック」を志向している点は共通しています。実際、両作とも収録曲の作詞・作曲クレジットは2人の共同名義で、ユニットとして一体となって制作されています (CHUBBY GROOVE – Wikipedia) (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)。また、複数の著名ミュージシャンをゲストに迎えて多彩な音を取り入れるスタイルや、タイアップ曲を含め幅広い曲調を収めている点も共通しています。稲葉が普段のB’zでは見せないファンキーなボーカルアプローチをしているのも両アルバムの魅力です。

一方で音楽的な進化も明確に感じられます。『CHUBBY GROOVE』は初コラボゆえの手探り感もありつつ、ノリの良さ最優先で作られたアルバムでした (INABA / SALAS「CHUBBY GROOVE」 |)。グルーヴを生むことに特化した反面、全体にポップなまとまりもあって、「稲葉ソロやB’zにはない軽快さが新鮮」と評価されました (〖B’z・INABA/SALAS〗1st Album 「CHUBBY GROOVE」感想：魂に火を点けろ！：SSブログ)。一部では「良くも悪くもサラッと流れていく感じ」との指摘もあったように (INABA / SALAS「CHUBBY GROOVE」 |)、リスナーによっては印象が薄い曲もあったのかもしれません。それに対し『MAXIMUM HUAVO』では、前作で培ったケミストリーを土台にサウンドの輪郭がよりくっきりと描かれています (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)。ファンクの泥臭さやロックの重量感が増し、よりライブバンド的な迫力が備わりました (INABA / SALAS「CHUBBY GROOVE」 |)。レビュアーからも「2ndの方が遥かに躍らせるロックになっている」との意見が出ており、これはサラスのギターサウンドやリズムアレンジが存分に発揮された結果でしょう (INABA / SALAS「CHUBBY GROOVE」 |)。実際ギターリフの存在感や、打ち込み風のリズムと生ドラムの融合度合いなど、細部まで磨き上げられた印象があります。

サウンド・作詞・編曲の進化: サウンド面では、2ndアルバムでバンド感が飛躍的に高まりました。1stでは曲ごとに多彩なゲストを招いたことでバラエティ豊かでしたが、そのぶん統一感より実験色が強かったとも言えます。2ndでは同じくゲスト参加はあるものの、根底のグルーヴがブレず一貫しています。これは稲葉とサラスが「INABA/SALAS」という一つのバンドのように振る舞い、明確なビジョンを共有したからでしょう (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)。実際、前作から今作へのクレジット表記の変化（Stevie Salas & Koshi Inaba → INABA/SALAS）にもその姿勢の違いが表れており、2人自身も「ひとつのバンドとして鼓動を打ち始めた」と手応えを語っています (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)。編曲ではサラスのプロデュースワークがより細やかになり、「U」で見られるようにドラムのフィル一つひとつにまで注文を出すなど徹底して作り込んでいます (INABASALAS「Maximum Huavo」の感想+B’z “HOME” セッション熱い！ | HighSpeed小走りのブログ)。一方で稲葉のボーカルディレクションはむしろ前作より自由度が増したように感じられ、曲によっては囁くような歌唱からシャウトまで多彩な表現を披露しています。これはお互いの信頼関係が深化したことで稲葉が思い切ったトライをできた側面もあるでしょう。

作詞面では、稲葉節のキレと遊び心がどちらのアルバムでも光っていますが、2ndではより直接的でポジティブなメッセージが増えた印象です。例えば『CHUBBY GROOVE』では「苦悩の果てのそれも答えのひとつ」のように哲学的なタイトルや、「自ら1票入れたくなるような自分に変身してしまおう！（TROPHY）」といった自己啓発的なフレーズが散見されました (〖B’z・INABA/SALAS〗1st Album 「CHUBBY GROOVE」感想：魂に火を点けろ！：SSブログ)。『MAXIMUM HUAVO』でも「歓喜の使者」のように希望を感じさせる言葉がありますが、全体としてはグルーヴに乗せた英語フレーズや掛け声的なリリック（「踊りましょう」など）が増えており (INABASALAS「Maximum Huavo」の感想+B’z “HOME” セッション熱い！ | HighSpeed小走りのブログ)、より音そのものと一体化した歌詞が多いように思われます。これはサラスとの共同作業で「言葉もリズムの一部」という意識がさらに高まった結果かもしれません (CHUBBY GROOVE – Wikipedia)。

アルバムごとのアプローチの違い: アルバム制作アプローチの違いとして、1stは“初めて二人でゼロから作る喜び”に満ちたスピontaneity（自発性）が際立っていました。実際稲葉も「割と気張ってない、自然な流れ」で作ったと語っており (〖インタビュー〗INABA / SALAS、「唯一のルールは“クールじゃなきゃいけない”」 | BARKS)、良い意味で肩の力が抜けたセッションの延長で生まれた作品でした。2ndではそれに対し計画性と野心が加わっています。稲葉が「前作を超える」と明言し (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)、サラスが執拗に新曲デモを送りつけるなど (〖インタビュー〗INABA／SALAS、2ndアルバム誕生「チャレンジしてみることで新しい扉が開ける」 | BARKS)、最初からクオリティアップを狙って取り組んでいます。その結果、音楽的完成度は上がりましたが、1stにあった偶発的なおもしろさとはまた別の魅力（緻密に作り上げたグルーヴの快感）が生まれています。例えるなら、『CHUBBY GROOVE』がジャムセッションの盛り上がりを閉じ込めた一枚だとすれば、『MAXIMUM HUAVO』は練り上げたコンセプトアルバムに近い一枚とも言えるでしょう。もっとも、どちらも根底には「クールなグルーヴを届けたい」という共通の想いがあり、アルバムタイトルに込めたユーモアにも2人の仲の良さと音楽愛が表れています。

総括すると、『CHUBBY GROOVE』は稲葉浩志とスティーヴィー・サラスが長年の約束を果たして生み出した“出会いと実験”のアルバムであり、『MAXIMUM HUAVO』はその経験を糧にさらなる高みを目指した“進化と深化”のアルバムと言えます。前者で築いた信頼関係と土台の上に、後者ではより大胆なサウンド展開と完成度が実現しました。B’zファンにとっては稲葉浩志の新たな魅力が堪能できるコラボレーションであり、洋楽ロックファンにとってはスティーヴィー・サラスのグルーヴを日本のトップボーカリストが歌い上げる贅沢な作品となっています。「稲葉×サラス」という一見意外な組み合わせは、2作を通じて唯一無二の個性を確立しつつあり、2023年には早くも3作目『ATOMIC CHIHUAHUA』もリリースされました（※参考情報）。今後もこのユニットならではの型破りな音楽が展開されることを期待する声が多く、B’zファンのみならず幅広い音楽ファンの注目を集め続けています。

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B’z 稲葉 サラス コラボ 経緯

CHUBBY GROOVE 発売日・収録曲

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